開拓について、IFAにインタビューしてみました

 こんにちは。YSKライフコンサルタンツの山内です。
 前回のコラムに引き続き、弊社所属IFAへのインタビューを行いました。今回は、日々開拓を積極的に行っている3名のIFAの方から「新規開拓」について詳しく聞いていきたいと思います。
 具体的には、「キャリア」、「開拓実績」、「新開拓の方法やコツ」、「普段どんな資料を使っているか」、「失敗談」、「今後どういうIFAになりたいか」などについて伺いました。

Aさん(IFA歴 約2年)

<キャリア・開拓実績>

 2009年4月に三菱UFJ証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)に入社し、上野支店、秋葉原支店、大阪支店営業部、神戸支店営業部を経て2019年3月に退職してIFAとして独立しました。現在の口座数は約100件、預かり資産は20億円強です。そのうち、8億円は証券会社時代からのお客様から、12億円はIFAになって新規に開拓したお客様からのお預かり資産です。

<新規開拓の方法>

 開拓の方法は紹介がメインです。お客様からの紹介や、提携税理士法人からの紹介で開拓をしています。
 紹介を受けるためのコツとしては、紹介してほしいという気持ちを表わしたり言ったりはせず、担当しているお客様に喜んでもらえることだけを考えて商品の提案をしています。お客様に自分自身を気に入ってもらえるようにも心掛けています。人柄を認めてもらうことも紹介に繋がる大きな要因だと思っています。
 お客様のことを知るため、趣味の話や税金の話など運用以外の話をするようにしています。
 初回の訪問の際は、会社紹介資料や自分で作った資産形成ポートフォリオを持っていくようにしています。自分自身で作ることでより一層お客様のことを考え提案しているという姿勢が見えると思うので、積極的に行っています。

<今後どのようなIFAになりたいか>

 単に「お金や運用について相談する人」という関係ではなく、お客様の普段の生活に関わっていけるような人になりたいです。家族や親友を紹介してもらえるような、身近な存在になりたいと思っています。

Bさん(IFA歴 約5カ月)

<キャリア・開拓実績> 

 大和証券で2年半支店営業をしておりました。現在26歳で、IFAになり5か月が経ちました。
 現在お取引いただいているお客様は、前職のお客様が8割ですね。IFAになってからの開拓が2割程で、計20件ほどで約3億の預かりです。

<新規開拓の方法>

 オーナー企業やクリニック、宗教法人に絞ってテレアポを行っております。証券会社時代の新人のように一日100件200件架電し、アポを取り面談をしております。
アポが取れる率は大手証券時代とほぼ変わらない印象です。特に障壁があるとは感じません。基本的にアポが取れるお客様は既に証券取引がある方ですので、IFAならではの提案スタイルや商品力に好感を持っていただき口座開設がしやすい印象です。
 一日フリーで使える日は最低100件、内アポ取得できる件数は1,2件です。私の場合はもとの顧客が少ないので割いている時間の割合としては、8割新規、2割既存といったイメージです。
 開拓の際気を付けていることとしては、大手の看板がなくなっているという一見デメリットの部分をメリットに変えて伝えられるよな意識づけをしております。ノルマがない転勤がないといった、IFAならではの魅力を強調して面談で伝えております。

<初回訪問で持参している資料や提案商品>

 会社案内資料とIFAについての新聞の切り抜きを持ち歩いています。初回の訪問では商品の具体的な提案は行わず、働きかたや他社のヒアリングを行っております。

<失敗談>

証券時代からより丁寧な提案を行っておればもう少しお客様の資産を増やせていたのにと思うことがあります。

<今後どのようなIFAになりたいか>

 経験もスキルも諸先輩方と比べるとまだ未熟ですので、早くIFAとして活躍できるような能力を養い、顧客基盤を広げていきたいです。3年以内に顧客数50件、預かり資産で30億円を目標にしています!

Cさん(IFA歴 約7カ月)

<キャリア・開拓実績> 

 新卒で野村證券に入社して、3年ほど働いたのちに不動産会社、人材紹介会社を経験して半年前にIFAとして証券業界へ再び戻りました。通常、証券会社を長年勤務してIFAになる方々がほとんどだと思われますので、私は少し特殊なキャリアだと思います。
 証券会社時代にお付き合いのあったお客様を除いて、IFAになってから新規で開拓したお客様が、個人・法人含めて8件です。資産導入額は現時点で3名の方から合計で1億円お預かりしております。

<新規開拓の方法>

 手段は電話と飛び込みです。
 数がものをいう世界なので、ベースは電話にしていて、とにかくかけます。1〜2週間かけるとある程度のデータが揃うので、今後も当たる先と今後は当たらない先に分けます。当たる先にカテゴライズしたところは飛び込みで訪問したりします。電話ではわからない感触を訪問で確かめます。いないケースも多いですが、何時に戻ってくるのか、何日にいるのかなどを聞いてそのタイミングで伺います。
 煙たがれるケースは無限にありますが、会社のオーナーは厳しくも寛容な人間が多いと信じているので(自分に言い聞かせています)、気にせず会いに行きます。

 お客様の開拓前後は、提案などにかなり時間を割くようにあえてしているので、約定までの案件が立て続けに入ってる時期は明らかな新規開拓はやらないようにしています。案件が立て込まずフリーなときは、1日200件は電話をします。飛び込み件数はあまり気にしていないです。明らかに暗くなりはじめたらやめます。笑 最近は陽が沈むのが遅くなっているのでありがたい限りですね。

 証券会社時代の開拓との違いについてですが、大きな看板がありませんので、お客様がこちらの名前を聞いて会おうと思わないと思います。ですので、電話口であれば声のトーンやボリューム、直接お話しする際であれば、電話口の内容に加えて、話す雰囲気やお客様のレベルに合わせた会話内容、提案内容にするようにかなり気をつけています。
 証券会社時代は、「これが一番正しいんだ」と思ってやっていましたが、今思えば顧客目線に立っていなくて、「あの頃はお客様のことを本気で考えていなかったんだな…」と思い出すたびにそう思えます。看板を外したこともそうですが、雇用されていない立場なのでこれが本質的に思考を変えさせた点なのかもしれません。

<初回訪問で持参している資料や提案商品>

 提携先の証券会社の個人・法人の口座開設用紙とPC、債券や投資信託関係の資料は全部持っていきます。何があるかわかりませんので。
 初回面談アポイントで個人の口座開設は何度もあるんですけど、数ヶ月前に初めて、初回面談で法人口座開設を経験して、何が起こるか分からないからやっぱり持参しておくべきなんだと心から思いました。
 そのため、私の鞄はかなり重いと自分でも思います。笑

<失敗談> 

 失敗談というか教訓になったのは、当時証券会社時代に自身で開拓した事業法人や財団のお客様の話です。経理担当の方とは仲が良く普通に会話ができ、特に何も隔たりはないものの、お付き合いをしてくださいませんでした。当初はプロダクトや提案質、その他の要因を考えましたが明確な原因が分からず、解決策が見つかりませんでした。「なぜこちら側の債券の条件の方がいい上に、関係も良好なのに決まらないのか…」。モヤモヤした日が続きましたが、「大手証券と付き合うことに価値やステータスがある」という答えに辿り着きました。これは一定数のお客様がいた結果やお客様からストレートに言われて気付きました。それ以降は、この方は大手証券のお客様なので仕方がないと割り切ることで外交効率や精神衛生的によくなりました。

<今後どのようなIFAになりたいか>

 道のりはまだ長いですが、預かり資産100億円を目指しています。米国では、20年勤めたハイブリッドRIA(日本で言うIFA)は一人当たりの平均預かりが77百万ドルなので、合理的だと思っております。また、既存のお客様や新規のお客様に頼られるIFAになりたいです。
 こいつと付き合っておいてよかったと、生涯を通じて心から思っていただきたいです。結果が目的にならずに本質的なことができるのがIFAだと思っています。今後も日々精進して参ります。

著者情報

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社名
株式会社YSKライフコンサルタンツ
本社所在地
京都市中京区槌屋町84-2 402
対応エリア
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提携証券
楽天証券/SBI証券/あかつき証券/東海東京証券/株式会社スマートプラス

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